「アウイナイトの和名って何だろう?」と感じて検索されたのではないでしょうか。吸い込まれるような青い輝きを持つこの宝石には、藍方石(らんぽうせき)という美しい日本語の名前があります。しかし、その魅力は名前だけにとどまりません。
この記事では、アウイナイトの和名の由来はもちろん、幻の宝石とまで言われる希少性や、サファイアと比較されることもあるその価値、そして「過去との決別」といった石言葉に込められた深い意味やヒーリング効果について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
また、繊細な宝石だからこそ知っておきたい硬度や、輝きを損なわないためのお手入れ、浄化方法まで、あらゆる情報を網羅しました。この記事を最後まで読めば、アウイナイトに関するあなたの疑問はすべて解消されるはずです。
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アウイナイトの和名とその由来がわかる
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宝石としての価値や希少性が理解できる
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石言葉やヒーリング効果について知れる
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正しいお手入れや浄化の方法が身につく
アウイナイトの和名「藍方石」とは?基本情報を解説

アウイナイトって名前は聞いたことあったけど、和名があったんだ!『藍方石』(らんぽうせき)って、なんだかカッコいいね!どんな石なのか、もっと知りたいな!



うん、名前の由来から特徴、石言葉まで、アウイナイトが持つたくさんの魅力を一つずつ見ていこう。きっと君も好きになるはずだよ。
発見者アウイ氏と名前の由来
ネオンブルーに輝くアウイナイトの特徴
ブラックライトで光る蛍光性とは
幻の宝石と呼ばれるほどの希少性
主なアウイナイトの産地はドイツ
宝石としてのアウイナイトの硬度
アウイナイトに込められた石言葉
石言葉が示すアウイナイトの持つ意味
身につけることで期待される効果とは
心を癒すヒーリング効果について
発見者アウイ氏と名前の由来


アウイナイトという名前は、実は一人の偉大な学者に由来します。その人物とは、フランスの鉱物学者ルネ・ジュスト・アウイ氏です。彼は「現代結晶学の父」とも称されるほどの功績を残した人物で、結晶が規則正しい基本単位の繰り返しでできているという理論を確立しました。
この歴史的な功績を称え、彼が発見に関わった鉱物に「アウィン(Hauyne)」という名前が付けられました。そして、宝石として流通する際に「アウイナイト(Hauynite)」という宝石名で呼ばれるようになったのです。これは、「アウイ氏の石」という意味合いを持っています。ちなみに、パリのエッフェル塔にはフランスの発展に貢献した72名の科学者の名前が刻まれていますが、その中の一人にアウイ氏の名前も含まれています(参考: エッフェル塔公式サイト)。
一方、和名である「藍方石(らんぽうせき)」または「藍宝石(らんぽうせき)」は、アウイナイトが属する鉱物グループから名付けられました。アウイナイトは方ソーダ石(ソーダライト)グループの一種であり、その名の通り、深く美しい藍色を持つ特徴的な結晶構造の石であることから、この名が付けられたと考えられます。
ネオンブルーに輝くアウイナイトの特徴


アウイナイトが人々を魅了してやまない最大の理由は、その息をのむような色合いにあります。まるで自ら光を発しているかのような、鮮烈なネオンブルーやコバルトブルーの輝きは、他のどの青い宝石とも一線を画すものです。イタリアの有名な観光地「青の洞窟」の水面を思わせる、深く澄み渡った青色は、一度見たら忘れられないほどの強い印象を与えます。
この美しい青色は、アウイナイトがラピスラズリを構成する主要な鉱物の一つであることからも説明がつきます。ただし、複数の鉱物が混ざり合った不透明なラピスラズリとは異なり、宝石質のアウイナイトは高い透明度を持つ点が大きな特徴です。
しかし、その美しさとは裏腹に、アウイナイトは非常に繊細な宝石でもあります。モース硬度は5.5から6と、宝石の中では比較的柔らかい部類に入ります。さらに、特定の方向に割れやすい「劈開(へきかい)」という性質が明瞭であるため、衝撃に弱く、加工が非常に難しいことでも知られています。この脆さが、アウイナイトの希少価値をさらに高める一因となっているのです。
ブラックライトで光る蛍光性とは


アウイナイトには、コレクターや宝石愛好家の心をくすぐる、もう一つの秘密の顔があります。それは、一部の石が持つ「蛍光性」というユニークな特性です。
通常光の下では鮮やかなネオンブルーに輝くアウイナイトですが、その中に、ブラックライト(紫外線)を当てると、全く異なる色に変化するものが見られます。多くの場合、この蛍光するアウイナイトは、鮮やかなオレンジ色や黄色みがかったピンク色に発光します。まるで昼と夜で姿を変えるかのような、この神秘的な現象は、アウイナイトが内包する微量な成分の違いによって引き起こされると考えられています。
もちろん、すべてのアウイナイトが蛍光するわけではありません。むしろ、蛍光性を示すものの方が希少であり、宝石市場ではさらに珍重される傾向があります。一つの宝石で二つの表情を楽しめるという点は、アウイナイトの奥深い魅力を物語っており、鉱物としての面白さを求める人々にとってはたまらない魅力と言えます。
幻の宝石と呼ばれるほどの希少性


アウイナイトが「幻の宝石」という異名を持つ理由は、その絶対的な産出量の少なさにあります。世界には数多くの宝石が存在しますが、アウイナイトほど産出が限られている宝石は稀です。
まず、宝石として通用する品質の結晶が採れる場所が、世界でほぼ一か所に限定されている点が挙げられます。さらに、産出される原石そのものが非常に小さいという特徴もあります。ジュエリーとして加工されるアウイナイトは、0.1カラットに満たない小粒なものがほとんどで、0.3カラットを超えれば大粒と見なされるほどです。1カラットを超える大きさのものは、世界的なオークションに出品されるレベルの、まさに幻の存在となります。
加えて、前述の通り、アウイナイトは硬度が低く、特定の方向に割れやすい性質を持っています。このため、原石をカットしたり研磨したりする加工の段階で壊れてしまうリスクが非常に高く、熟練した職人でも細心の注意を要します。これらの要因が複雑に絡み合い、美しいルース(裸石)として市場に出回るアウイナイトの量はごくわずかになっているのです。
主なアウイナイトの産地はドイツ


アウイナイトの産地は世界中に点在していますが、ジュエリーとして身につけられるほどの高品質な結晶が採れるのは、現在のところドイツのアイフェル地方だけです。この地域は火山地帯として知られており、アウイナイトは火山活動によって生成された軽石質の母岩の中から発見されます。
アイフェル地方は、ライン川沿いの街コブレンツの西に位置し、古くから美しいアウイナイトが産出することで有名でした。地元では、その美しさから「アイフェルのサファイア」という愛称で親しまれ、誇りとされてきました。
世界的な鉱物データベースサイトであるMindat.orgにおいても、宝石品質のアウイナイト(Haüyne)の最も重要な産地としてドイツのアイフェル地方が記載されており、その希少性を裏付けています。
しかし、残念ながら、現在この地域での商業的な採掘はほとんど行われていません。そのため、新たに市場に供給されるアウEナイトの量は極めて限られており、過去に採掘されてディーラーなどが保管している原石が、少しずつ市場に供給されているのが現状です。ドイツ以外でもアフガニスタンやタジキスタンなどで産出の報告はありますが、色が薄かったり透明度が低かったりと、宝石としての品質には及ばないものがほとんどです。この産地の限定性が、アウイナイトの希少価値を決定づける最も大きな要因となっています。
宝石としてのアウイナイトの硬度


宝石の耐久性を示す指標の一つに「モース硬度」があります。宝石学の世界的権威であるGIA(米国宝石学会)も基準として採用しているこの指標は、鉱物の硬さを1から10の段階で示したもので、最も硬いダイヤモンドが10です。アウイナイトのモース硬度は5.5から6とされており、これは宝石の中では比較的柔らかい部類に属します。
他の宝石との硬度の比較
具体的にイメージするために、他の有名な宝石と比較してみましょう。
ダイヤモンド:硬度10
ルビー、サファイア:硬度9
エメラルド、アクアマリン:硬度7.5~8
アウイナイト:硬度5.5~6
オパール:硬度5.5~6.5
このように、アウイナイトは結婚指輪などによく使われるルビーやサファイアと比べると、かなりデリケートであることが分かります。硬度6は、ナイフの刃やガラスと同じくらいで、空気中の塵に含まれる石英(硬度7)によっても傷がつく可能性があります。
そのため、アウイナイトをジュエリーとして身につける際には、細心の注意が必要です。特に指輪として使用する場合は、物にぶつけたり擦ったりしないよう、日常的な動作にも気を配ることが大切になります。この取り扱いの難しさが、アウイナイトの魅力であり、同時に所有する上での注意点とも言えます。



そっかぁ、ダイヤモンドやサファイアに比べると、かなりデリケートなんだね。指輪として毎日つけるのは、ちょっと気をつけた方がいいのかな…?



その通りだね。でも、石の特性をちゃんと理解して大切に扱えば、長く付き合えるんだ。特に他のジュエリーと分けて保管することが鍵になるよ。
アウイナイトに込められた石言葉
アウイナイトには、その鮮烈な色と希少性から連想される、いくつかの力強い石言葉が与えられています。代表的なものは、「高貴」「情熱」「過去との決別」です。
これらの言葉は、アウイナイトが持つ多面的な魅力を象徴しています。
高貴: まるで王族の色とされるロイヤルブルーを思わせる、気品あふれる色合いから来ています。その美しさは、見る人の心を惹きつけ、高潔な気持ちにさせてくれるようです。
情熱: 深い青色の中に宿る、ネオンのように鮮やかな輝きは、心の奥底で燃える情熱の炎を連想させます。冷静さの中にも熱い思いを秘めている様子を表しています。
過去との決別: 澄み切った青色は、心の曇りや過去のしがらみを洗い流し、新しい未来へと踏み出す勇気を与えてくれると信じられています。
これらの石言葉を知ることで、アウイナイトを単なる美しい宝石としてだけでなく、自分自身を励まし、導いてくれるお守りのような存在として、より深く楽しむことができるでしょう。
石言葉が示すアウイナイトの持つ意味
前述の通り、アウイナイトの石言葉には「高貴」「情熱」「過去との決別」があります。これらの言葉は、単なるイメージだけでなく、この石が持つとされる深い意味合いを私たちに伝えてくれます。
特に注目されるのが「過去との決別」という意味です。これは、アウイナイトの持つ強い浄化作用と関係があると考えられています。過去の辛い経験や、自分を縛り付けている古い価値観、こだわりといったネガティブな感情を解き放ち、心を軽くしてくれると言われています。例えば、新しい環境に飛び込む時や、何か新しい挑戦を始めようとする時にこの石を身につけると、過去にとらわれず、前向きな気持ちで未来へ進むための後押しをしてくれるかもしれません。
また、「高貴」と「情熱」は、一見すると相反する意味に思えるかもしれません。しかし、これはアウイナイトが持つ二面性を表していると解釈できます。冷静で知的な判断力を象徴する「高貴」な青色と、心の奥に秘めた目標達成への強い意志を象徴する「情熱」の輝き。この二つを併せ持つことで、冷静でありながらも情熱的に物事に取り組む、バランスの取れた状態へと導いてくれるという意味が込められているのです。
アウイナイトのように、一つの石が持つ意味を深く理解すると、他の石との組み合わせについても気になりますよね。パワーストーン同士には相性があり、その効果を高める組み合わせや、逆にエネルギーを打ち消し合ってしまう組み合わせも存在します。石の相性について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。


身につけることで期待される効果とは
アウイナイトは、その石言葉や意味合いから、身につける人に様々な良い影響を与えるお守りとしての効果が期待されています。ただし、これらは古くからの言い伝えや信仰に基づくものであり、科学的に証明されたものではありません。
一つには、感情の浄化と整理を助ける効果があると言われています。気持ちが晴れない時や、何となく元気が出ない時にアウイナイトを眺めていると、その深く澄んだ青色が心の澱みを洗い流し、思考をクリアにしてくれるようです。これにより、冷静さを取り戻し、自分が本当に何をすべきかを見つめ直すきっかけを与えてくれるでしょう。
また、表現力やコミュニケーション能力を高めるサポートをするとも考えられています。自分の考えや感情をうまく言葉にできない人が身につけると、内なる情熱を解放し、スムーズに自己表現ができるようになると言われています。
さらに、愛情を豊かにする効果も期待されています。深い孤独感や不安を和らげ、自分自身や他者への愛情深い気持ちを取り戻す手助けをしてくれるとされます。日々の生活の中で幸福感や満足感を高めたいと願う人にとって、心強い味方となってくれるかもしれません。
心を癒すヒーリング効果について
アウイナイトには、古くから心を癒すヒーリング効果があると信じられてきました。その深く、どこまでも澄んだ青色は、見つめているだけで精神的な興奮や昂りを鎮め、穏やかでリラックスした状態へと導いてくれると言われています。
特に、心の奥深くにしまい込んでいるトラウマや、過去の出来事に対する執着心を解き放つ手助けをするとされています。アウイナイトの持つ「過去との決別」という石言葉は、まさにこのヒーリング効果を象徴しています。不要なこだわりや古い価値観を手放す勇気を与え、心を自由にしてくれることで、新たな一歩を踏み出すためのエネルギーをチャージしてくれるでしょう。
また、この石は持ち主の直感力や洞察力を高めるサポートをするとも言われています。情報過多な現代社会において、何が真実で何が自分にとって不要なものかを見極める力は非常に大切です。アウイナイトは、思考の混乱を鎮め、物事の本質を見抜くクリアな視点を与えてくれるお守りとして、古くから珍重されてきました。心が疲れた時、アウイナイトをそっと手に取り、その静かな輝きに意識を向けることで、深い癒しを感じられるかもしれません。
アウイナイトのように心を癒し、思考をクリアにしてくれる石は他にも存在します。「天才の石」とも呼ばれるフローライトもその一つで、多彩な色を持ち、持ち主との相性も重要になります。他の癒やしの石にも興味が湧いた方は、ぜひこちらの記事も覗いてみてください。


アウイナイトの和名と価値。その魅力を深掘り



すごく珍しくて繊細な石なんだね!サファイアより価値が高いこともあるなんてビックリ!どのくらいすごいのか、もっと具体的に教えて!



もちろんだよ。ここからは、アウイナイトがどれほどの価値を持つのか、そしてその美しさを長く保つための秘密を一緒に学んでいこう。
サファイアとの価値や色の違い
サファイアを凌ぐアウイナイトの価値
カラットで変動するアウイナイトの値段
アウイナイトの買取査定のポイント
美しさを引き出すアウイナイトのカット
アウイナイトの日常的なお手入れ方法
パワーストーンとしてのアウイナイトの浄化
サファイアとの価値や色の違い
アウイナイトは、その美しさから「アイフェルのサファイア」とも呼ばれますが、青い宝石の代表格であるサファイアとはいくつかの明確な違いがあります。これらの違いを理解することは、アウイナイトの真の価値を知る上でとても大切です。
最も大きな違いは、その色合いと輝き方にあります。サファイアの青は、深く落ち着いたものから明るいものまで多様ですが、アウイナイトの青は、より彩度が高く、ネオンのような強い輝きを放つのが特徴です。この独特の輝きは、アウイナイトならではの魅力と言えます。
また、宝石としての物理的な特性も大きく異なります。前述の通り、アウイナイトは硬度が低く、劈開性があるため非常にデリケートです。一方、サファイアはダイヤモンドに次ぐ硬度9を誇り、耐久性に優れています。
これらの特性の違いを以下の表にまとめました。
このように、アウイナイトはサファイアとは異なる魅力と特性を持つ、唯一無二の宝石なのです。
サファイアを凌ぐアウイナイトの価値
「サファイアより価値が高い」と聞くと、驚く方もいるかもしれません。しかし、特定の条件下では、アウイナイトがカラットあたりの単価でサファイアを上回ることは決して珍しくありません。その理由は、アウイナイトが持つ圧倒的な希少性にあります。
サファイアは世界各地で採掘され、市場にも安定して供給されていますが、宝石品質のアウイナイトはドイツのアイフェル地方という極めて限られた場所でしか産出しません。さらに、その産出量自体がごくわずかであり、大きな結晶はほとんど見つからないのが現状です。
このため、特に色が濃く、透明度が高い高品質なアウイナイトは、たとえ0.1カラット程度の小粒なものであっても、同程度の大きさの一般的なサファイアよりもはるかに高値で取引されることがあります。特に0.5カラットを超えるような大粒のアウイナイトとなれば、その価値は飛躍的に上昇し、最高品質のサファイアに匹敵する、あるいはそれ以上の価格が付けられることもあります。
要するに、アウイナイトの価値は、その絶対的な供給量の少なさと、他のどの宝石にもない唯一無二のネオンブルーの美しさによって支えられているのです。
カラットで変動するアウイナイトの値段
アウイナイトの値段は、その品質(カラー、クラリティ)と共に、カラット(重さ)によって大きく変動します。ただし、他の宝石と少し異なるのは、カラット数がわずかに増えるだけで、価格が飛躍的に上昇する点です。
これは、アウイナイトの原石が極めて小さく、大粒のものがほとんど産出しないためです。市場で流通しているアウイナイトの多くは0.1カラット以下の小さなもので、これらであっても品質が良ければ数万円以上の価格がつくことがあります。
カラット数が一つの基準点を超えるごとに、価格は段階的に、そして急激に上がっていきます。
0.3カラットを超えるもの: このサイズになると希少価値がぐっと高まり、品質によっては数十万円の価格帯に入ってきます。
0.5カラットを超えるもの: 市場で見ることは非常に稀になり、価格は一気に高騰します。状態の良いものであれば、百万円を超えることも不思議ではありません。
1.0カラットを超えるもの: もはやコレクターズアイテムの域に達し、出会うこと自体が奇跡的とされます。価格は数百万円以上になることもあり、まさに「時価」と言えるほどの価値を持ちます。
このように、アウイナイトは実際のカラット数以上に、その大きさが希少価値に直結し、値段に大きく反映される宝石なのです。
アウイナイトの買取査定のポイント
もしお手元にアウイナイトがあり、売却を検討される場合、その査定額は何を基準に決まるのでしょうか。アウイナイトのような希少石は、鑑定士の専門性が問われるため、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。
最も重視される「カラー」
査定において最も重要視されるのは、やはりアウイナイト最大の特徴である「色」です。単なる青色ではなく、彩度が高く、鮮やかなコバルトブルーやネオンブルーであるほど評価は高くなります。色が薄かったり、灰色がかっていたりすると評価は下がります。
価格を大きく左右する「カラット」と「クラリティ」
次に重要なのが「カラット(重さ)」です。前述の通り、アウイナイトは大きいものほど希少価値が飛躍的に高まるため、0.2カラット、0.3カラットと、一定のサイズを超えるごとに査定額は大きく上昇します。 また、「クラリティ(透明度)」も評価を左右します。アウイナイトは性質上、インクルージョン(内包物)を含みやすい宝石ですが、肉眼で見て目立つ傷や内包物が少なく、透明度が高いものほど高額査定につながります。
信頼性の証となる「鑑別書」
ダイヤモンドの鑑定書(グレーディングレポート)ほど絶対的ではありませんが、信頼できる鑑別機関が発行した「鑑別書」があれば、その石が天然のアウイナイトであることを証明できるため、査定がスムーズに進み、プラスの評価を得やすくなります。特に希少石の場合、鑑別書の有無は買取店からの信頼度に大きく影響します。
美しさを引き出すアウイナイトのカット
アウイナイトの原石が持つネオンブルーの輝きを最大限に引き出すためには、適切なカットを施すことが不可欠です。しかし、アウイナイトは硬度が低く、特定の方向に割れやすい性質を持つため、カットは非常に高度な技術を要します。
透明度が高い高品質な原石には、宝石の輝きを最も効率的に引き出すとされる「ブリリアントカット」や、ブリリアントカットとステップカットを組み合わせた「ミックストカット」などが施されることが多いです。これらのカットは、石の内部で光を複雑に反射させ、アウイナイト特有の鮮やかな輝きを際立たせます。無事にファセットカット(多数の小さな面を作るカット)が施されたアウイナイトは、それだけで価値が高いと評価されます。
一方、半透明のものや、インクルージョン(内包物)が多い原石には、石そのものの色合いや質感を活かす「カボションカット」が選ばれることがあります。これは、石をドーム状に丸く磨き上げるカット方法で、アウイナイトの深く吸い込まれるような青色を、柔らかく楽しむことができます。
いずれのカット方法が選ばれるにせよ、貴重な原石を無駄にせず、その魅力を最大限に引き出せるかどうかは、カッターと呼ばれる職人の腕前にかかっています。
アウイナイトの日常的なお手入れ方法
アウイナイトの美しい輝きを長く保つためには、その繊細な性質を理解した上で、適切なお手入れを行うことが大切です。硬度が低く衝撃に弱いため、他の宝石と同じように扱うことは避けるべきです。
基本は「優しく拭く」こと
日常的なお手入れは、ジュエリーを外した後に、柔らかく乾いた布(セーム革や眼鏡拭きなど)で表面の皮脂や汚れを優しく拭き取るだけで十分です。この時、強く擦ると傷の原因になる可能性があるため、あくまでも優しく撫でるように拭いてください。
汚れが気になる場合
もし汗や化粧品などで汚れが気になった場合は、ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かし、その中で柔らかいブラシ(毛先の柔らかい歯ブラシなど)を使って非常に優しく洗います。洗い終わった後は、きれいな水でよくすすぎ、すぐに柔らかい布で水分を完全に拭き取ってください。
保管時の注意点
最も重要なのは保管方法です。他の硬い宝石(ダイヤモンドやルビー、サファイアなど)と一緒に保管すると、接触して傷がついてしまう恐れがあります。必ず他のジュエリーとは別に、個別のケースや柔らかい布の袋に入れて保管するようにしてください。
これらの点に気をつけるだけで、アウイナイトの繊細な美しさを損なうことなく、長く楽しむことができます。
パワーストーンとしてのアウイナイトの浄化
アウイナイトをパワーストーンとして大切にしている場合、定期的に「浄化」を行い、石が吸い込んだとされるネガティブなエネルギーをリフレッシュさせることが推奨されています。ただし、アウイナイトはデリケートな石であるため、浄化方法には注意が必要です。
アウイナイトに適した浄化方法
以下の方法は、アウイナイトの性質に合っており、安心して行える浄化方法とされています。
月光浴: 満月の夜など、月の光が当たる窓辺に一晩置いておく方法です。月の穏やかな光が、石を優しく浄化してくれると言われています。
セージ: 乾燥させたセージの葉に火をつけ、その煙に石を数回くぐらせる方法です。煙が石のエネルギーを浄化するとされています。
水晶クラスター: 水晶の原石が集まったクラスターの上に石を置いておくだけで、水晶の持つ浄化作用によって石がリフレッシュされると言われています。
音: クリスタルチューナー(音叉)やティンシャ(チベットシンバル)などの清らかな音色を聞かせる方法です。音の振動が、石のエネルギーを浄化すると考えられています。
避けるべき浄化方法
一方で、アウイナイトの性質上、避けるべき浄化方法もあります。
太陽光: 紫外線の影響で、美しい青色が退色してしまう可能性があります。長時間の太陽光浴は絶対に避けてください。
流水: 水自体は問題ありませんが、水道水に含まれる塩素などが影響を与える可能性もゼロではありません。また、劈開性があるため、強い水流を当てるのは避けた方が無難です。
粗塩: 塩の結晶が石の表面を傷つける恐れがあるため、直接塩に埋める方法は推奨されません。
これらの点に留意し、石に合った優しい方法で浄化を行ってください。



太陽の光で浄化しちゃいけないんだ!知らなかったら、せっかくの綺麗な青色が薄くなっちゃうところだった…危ない危ない!



そうだね。石の性質によって、合う浄化方法と合わない方法があるから、しっかり確認することが大切さ。アウイナイトは月の穏やかな光との相性がいいんだよ。


まとめ:アウイナイトの和名と魅力を再確認



わー、アウイナイトのこと、すっごく詳しくなっちゃった!ただ綺麗なだけじゃなくて、歴史も意味も深くて、ますます好きになったな。



そうだね。石が持つ物語を理解すると、その輝きはもっと特別に見えてくる。この知識が、君とアウイナイトとの素敵な関係を築く助けになることを願っているよ。
この記事では、アウイナイトの和名からその詳細な魅力までを解説してきました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
アウイナイトの和名は藍方石または藍宝石
名前は鉱物学者ルネ・ジュスト・アウイに由来する
鮮やかなネオンブルーの輝きが最大の特徴
宝石質の主な産地はドイツのアイフェル地方のみ
産出量が極めて少なく幻の宝石と呼ばれる
モース硬度は5.5から6と比較的柔らかい
衝撃に弱く割れやすいため取り扱いに注意が必要
一部の石はブラックライトでオレンジ色に蛍光する
石言葉は高貴・情熱・過去との決別
新しい一歩を踏み出すお守りとされる
サファイアとは硬度や希少性が大きく異なる
小粒でもサファイアより高値が付くことがある
価値はカラー・カラット・クラリティで決まる
日常のお手入れは柔らかい布で優しく拭く
超音波洗浄機の使用は絶対に避けるべき
浄化方法は太陽光を避け月光浴やセージが適している
唯一無二の輝きを持つコレクター垂涎の宝石である



アウイナイトの奥深い魅力、感じていただけましたでしょうか。この石が持つ『過去との決別』というメッセージが、あなたの新しい一歩をそっと後押ししてくれますように。この記事が、あなたと石との素敵な出会いのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。