ふとした瞬間に視界をよぎる黒い影。あるいは、部屋の隅に感じる黒い人影のような気配。 こうした体験は、とても不安になりますよね。
Spiritual People 運営者のGです。私はスピリチュアルな事柄に関心がありますが、科学的に説明がつかない現象を、すぐに霊感や霊的なものと結びつけることには慎重であるべきだと考えています。
特に、ストレスがたまっている時や、疲れがピークに達している時、あるいは近親者の死といった感情が大きく揺さぶられる出来事があった後は、こうした不思議な体験を受け入れやすくなるかもしれません。
しかし、精神医学や神経科学、そして眼科学といった分野では、これら黒い影とされる体験の多くが、私たちの「目」や「脳」、あるいは「睡眠とストレスの状態」によって説明可能な現象であるとされています。
この記事では、霊感かもしれないと不安に思っている黒い影の正体について、医学的・科学的な視点から考えられる原因を一つひとつ見ていきます。 それは、もしかすると失明につながる病気のサインかもしれませんし、あるいは脳や睡眠に関わる重要なSOSかもしれません。
この記事を読むことで、あなたの不安が少しでも解消され、取るべき行動が明確になれば幸いです。
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黒い影が見える様々な原因(ストレス、病気など)
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危険な黒い影(網膜剥離など)の見分け方
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金縛りや幻視と黒い影の医学的な関係
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黒い影を感じた時の具体的な対処法と受診の目安
霊感?黒い影の正体とストレスの関係
ルナうわぁ…! ふとした瞬間に視界の隅に黒い影が見えた気がする…。もしかしてこれって霊感? ちょっと怖いよ、アステル!



落ち着いて、ルナ。黒い影が見えたからといって、すぐに霊的なものと決まったわけじゃないんだ。まずは、それがどんな影なのか、医学的な原因(特に『目』)から一緒に見ていこう。
黒い影の正体は霊ではない?
ストレスで黒い影が見える理由
疲労と黒い影の関係性
視界の端を一瞬よぎる黒い影
目を動かすと動く影は飛蚊症
飛蚊症とは?そのメカニズム
危険な黒い影と網膜剥離
網膜剥離の危険なサイン
すぐ受診すべき黒い影の症状
黒い影の正体は霊ではない?


「黒い影が見えた」と聞くと、私たちはすぐに「霊感」や「心霊現象」といったスピリチュアルな側面を想像しがちです。もちろん、この世界には科学で解明されていないことも多く、私もそうした領域に強い関心を寄せています。
ただ、こと「黒い影」に関しては、不安を抱えたままにするよりも先に、医学や科学が突き止めている原因を知っておくことが、ご自身の心と身体を守るために非常に大切だと考えています。
この記事でお伝えしていくことですが、黒い影の多くは、私たちの「目(眼球)」の生理的な変化や、「脳(神経)」の働き、あるいは「睡眠やストレス」の状態によって説明がつく場合がほとんどです。
中には、失明や重い神経疾患につながる危険なサインが隠れていることもあります。
スピリチュアルな探求は、まず自分自身の安全を確保してからでも遅くはありません。まずは、その影が身体からのSOSではないか、一緒に確認していきましょう。
ストレスで黒い影が見える理由
現代社会で生活する上で、ストレスをゼロにすることは難しいですよね。このストレスが、黒い影の知覚に大きく関係していることがあります。
強いストレスを感じている時、私たちの脳は「過覚醒」と呼ばれる、いわば戦闘態勢や警戒モードに入ります。これは、脳の「扁桃体」という不安や恐怖を司る部分が過剰に興奮している状態です。
この探知モードが続くと、普段なら気にも留めないような些細な刺激に対して、脳が「危険信号」として過剰に反応しやすくなります。
例えば、部屋の隅の暗がりや、ふと視界をよぎった小さなホコリ、あるいは後述する「飛蚊症」のような生理的な影に対しても、脳が「何かいる!」と誤って認識し、それが「黒い影」として意識に上ることがあります。
つまり、ストレスは幻覚そのものを生み出すだけでなく、既にある些細な影を「脅威」や「霊的な存在」として重大に解釈させてしまう「増幅器」のような役割も果たすのです。
このように、はっきりとした霊感ではないものの、ストレスによって嫌な感じや気配に敏感になることもあります。その理由と心が落ち着く対処法について、詳しくは別の記事で解説しています。


疲労と黒い影の関係性


ストレスと密接に関連しているのが「疲労」です。
慢性的な疲労や睡眠不足は、それ自体が強いストレス源となります。
疲労が蓄積し、生活リズムが乱れると、私たちの睡眠は浅くなりがちです。
特に、旅行による時差ボケや、不規則なシフトワークなどで身体は疲れているのに脳が妙に興奮している状態は、睡眠の質を著しく低下させます。
このような状態は、後ほど詳しく解説する「金縛り(睡眠麻痺)」を誘発する大きな要因となります。金縛りは、非常にリアルな「黒い人影」や「気配」といった幻覚を伴うことが多く、これが「霊体験」と誤認される最も一般的な原因の一つと考えられています。
身体的な疲労と精神的なストレスが重なると、脳は正常な知覚処理が難しくなり、現実と幻覚の境界が曖昧になりやすい状態に陥ると言えるでしょう。
視界の端を一瞬よぎる黒い影
「視界の端で、何かが一瞬よぎった」という体験はありませんか。
これは多くの場合、二つの現象が考えられます。
一つは、眼球内部の濁りである「飛蚊症(ひぶんしょう)」です。これは、目を動かしたときに、その動きに連動して影がフワッと動くのが特徴です。
もう一つ、注意が必要なのが「光視症(こうししょう)」です。
これは、視界の端で「稲妻のような光」や「キラキラした光」が一瞬走る現象を指します。黒い影そのものではありませんが、影と同時に自覚されることがあります。
この光視症は、目の中の硝子体というゼリー状の物質が、網膜を引っ張る(牽引する)ことで起こる物理的な刺激です。脳がその刺激を「光」として誤認識している状態です。
光視症は、それ自体が危険な場合と、加齢による生理的なもの(後部硝子体剥離)の場合があります。
しかし、もし「急に増えた黒い影」と共に「光視症」が現れた場合は、網膜に穴が開く(網膜裂孔)前兆や、網膜剥離が始まっている可能性を示す、極めて危険なサインとなります。
目を動かすと動く影は飛蚊症


「黒い影」と言っても、その見え方には種類があります。
もし、あなたが見ている影が、視線を動かすと一緒にユラユラと動き、青空や白い壁など明るい場所で特に目立つ「ゴミ」「糸くず」「水玉」のようなものであれば、それは「飛蚊症(ひぶんしょう)」である可能性が非常に高いです。
これは「霊」などではなく、あなた自身の眼球内部に存在する「物理的な影」です。
飛蚊症は、眼球の大部分を占める「硝子体(しょうしたい)」というゼリー状の物質に生じた「濁り」が、網膜(光を感じるスクリーン)に影を落とすことで自覚されます。
この影は硝子体と一緒に動くため、「目を動かすと一緒に動く」という特徴が現れます。
部屋の隅に固定されているように見える「黒い人影」といった現象とは、この点で決定的に異なります。
飛蚊症とは?そのメカニズム
前述の通り、飛蚊症は眼球内の「硝子体」の濁りが原因です。
この飛蚊症には、大きく分けて「生理的飛蚊症」と「病的飛蚊症」の二種類があります。
生理的飛蚊症
硝子体は、加齢とともに少しずつゼリー状から液状へと変化していきます。この過程で、硝子体の中に繊維状の濁りやシワが生じることがあります。
これが網膜に影を落とすのが、加齢による「生理的飛蚊症」です。
多くの場合、これは病気ではなく、特に治療の必要はありません。
病的飛蚊症
一方で、注意が必要なのが「病的飛蚊症」です。
これは、網膜剥離や網膜裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎といった、目の重大な病気の初期症状として現れる飛蚊症です。
初めて飛蚊症を自覚した場合、それが生理的なものなのか、それとも危険な病的なものなのかを自分で判断することは不可能です。
したがって、飛蚊症を自覚した際は、たとえ「ゴミのようなもの」が一つ二つ見えるだけだとしても、一度は早めに眼科を受診し、眼底検査を受けることが強く推奨されます。
危険な黒い影と網膜剥離


「黒い影」に関する訴えの中で、最も緊急性が高く、絶対に見逃してはならないのが「網膜剥離(もうまくはくり)」のサインです。
網膜とは、目の一番奥にある、光を感じて物を見るために非常に重要な膜(スクリーンのようなもの)です。
網膜剥離は、この大切な網膜が、眼球の内側の壁から剥がれてしまう病気です。
網膜が剥がれてしまうと、その部分の光を感じる細胞は栄養が届かなくなり、機能しなくなります。つまり、その部分は「見えなく」なります。
もし治療が遅れ、剥離が網膜の中心部(黄斑)にまで及ぶと、視力が急激に低下し、最悪の場合、失明に至る可能性もあります。
この網膜剥離の一般的なプロセスは、まず網膜に「裂孔(れっこう)」と呼ばれる穴が開くことから始まります。
その穴から、液状化した硝子体(目の中の水)が網膜の下に入り込むことで、網膜は壁から徐々に剥がされていくのです。
国内の専門機関である日本眼科学会も、この網膜剥離について「放置した場合、失明する可能性の高い病気」と警告しています。そして、その症状として「飛蚊症(黒い影)」や「光視症(光が走る)」を挙げています。
(参考:
網膜剥離の危険なサイン
網膜剥離は、治療のタイミングが視力の予後を大きく左右します。
そのため、以下の危険なサインを絶対に覚えておいてください。
もし、これらの症状が一つでも当てはまる場合、「霊感かもしれない」と様子を見ている時間はなく、極めて危険な状態である可能性が高いです。
黒い影(飛蚊症)の急激な増加
昨日まで数個だった影が、今日になったら数十個に増えた、あるいは「ススがかかったように」見える。これは、網膜の血管が傷つき出血(硝子体出血)している可能性があります。
光視症(こうししょう)の併発
視界の端(特に隅の方)で、「稲妻のような光」や「キラキラした光」が走る。これは、網膜が硝子体に強く引っ張られている(牽引されている)サインです。
視野欠損(しやけっそん)の発生
視界の一部が、「幕(カーテン)が掛かったように暗く」なり、その部分が見えなくなる。これは、網膜がすでに剥がれ始めていることを強く示唆します。
これらの症状は、網膜がSOSを発している重大な警告です。
すぐ受診すべき黒い影の症状


前述の通り、黒い影の見え方には緊急性の高いものがあります。
網膜剥離は、治療が遅れるほど視力の回復が困難になります。
網膜に穴が開いているだけ(網膜裂孔)の段階であれば、レーザー手術で穴の周囲を固め、剥離への進行を防げる場合があります。
しかし、一度剥離してしまうと、入院や大掛かりな手術(硝子体手術など)が必要となることが多く、手術が成功しても、物が歪んで見えるといった後遺症が残る場合もあります。
もし、あなたが体験している「黒い影」が、
「ある日突然、数が著しく増えた」
「稲妻のような光を伴う」
「視界の一部がカーテンのように欠けて見える」
のいずれかに該当する場合は、本記事の続きを読むよりも先に、今すぐ(夜間であれば翌朝一番に)眼科専門医を受診してください。
あなたの視力を守るための、最も重要な行動です。
霊感や黒い影は病気のサイン?



目の病気(飛蚊症や網膜剥離)で影が見えるのはわかったけど…でも!私が体験したのは寝起きの『金縛り』の時に見た黒い人影なんだよね…。あれはやっぱり霊感なんじゃ…?



それこそ、読者が一番不安に思うところだよね。でも、その金縛りもちゃんと医学的に説明できる現象なんだ。目の次は、睡眠や脳のメカニズムがどう『黒い影』と関係しているかを見てみると、きっと安心できるよ。
寝起きの黒い影と金縛り
金縛りで見る幻覚の正体
日中に見える黒い影と幻視
幻視は認知症のサインか
黒い影で疑われる病気まとめ
黒い影の対処法とは?
黒い影は何科を受診すべきか
よくある質問:黒い影Q&A
寝起きの黒い影と金縛り
「寝入りばな」や「目が覚めた直後」に、意識ははっきりしているのに体が動かせず、声も出せない。そして、その時に「黒い人影」が部屋に入ってきたり、胸の上に乗ってきたりした…。
これは、古今東西「心霊体験」として最も多く語られてきた現象の一つではないでしょうか。
私自身、スピリチュアルな観点からも非常に興味深い現象だと思います。
一方で、この現象は医学的には「睡眠麻痺(スリープ・パラリシス)」、一般的には「金縛り」と呼ばれる睡眠障害の一種として説明されています。
金縛りは、私たちの睡眠中の「レム睡眠」と深く関連しています。
レム睡眠中、私たちは夢を見ていますが、脳は夢の通りに体が動かないよう、全身の筋肉を弛緩させる(アトニー)指令を出しています。
金縛りとは、このレム睡眠のシステムに「ズレ」が生じ、意識は覚醒しているのに、体はレム睡眠の弛緩状態が続いてしまっている、というアンバランスな状態なのです。
金縛りで見る幻覚の正体
金縛りが恐ろしいのは、体が動かないこと以上に、非常に鮮明でリアルな「幻覚」を伴う点にあります。
特に寝入りばなに起こるものを「入眠時幻覚(にゅうみんじげんかく)」と呼びます。
これは、金縛り中に脳がレム睡眠(夢を見ている状態)から完全に覚醒しきっていないため、夢のイメージが、目を開けて見ている現実の風景に重ねて投影されてしまうことで起こると考えられています。
この幻覚は、
「黒い人影が近づいてくる」(幻視)
「耳元で誰かがささやく」(幻聴)
「胸を圧迫されて息苦しい」(体感幻覚)
といった特徴を持ちます。
この「体が動かない(睡眠麻痺)」と、「黒い影や圧迫感(入眠時幻覚)」の恐ろしい組み合わせこそが、「霊体験」として語られてきた現象の正体であると、睡眠医学では考えられています。
もしあなたが金縛り中に黒い影を見たのであれば、それは「霊」ではなく、「レム睡眠の異常(ズレ)」という医学的な現象である可能性が高いのです。
金縛り中には、特に「首を絞められる」といった恐ろしい体験をすることもあります。そのスピリチュアルな意味については、こちらの記事も参考にしてみてください。


日中に見える黒い影と幻視
ここまで、目の「飛蚊症」と、睡眠中の「金縛り(入眠時幻覚)」についてお話ししました。
では、「日中、はっきりと覚醒している時」に、実在しない「黒い人影」や「動物」などが具体的に見える場合はどうでしょうか。
これは「幻視(げんし)」と呼ばれる症状であり、目や睡眠ではなく、「脳」の機能に何らかの異常が生じている可能性があります。
飛蚊症は、眼球内部の「濁り」という物理的な実体が「影」として見える現象でした。
一方、「幻視」は、目から入ってくる視覚情報は正常であるにもかかわらず、その情報を受け取って処理する「脳」が、視覚情報を誤って生成・処理してしまうことによって生じます。
そのため、幻視で見える「黒い影」は、目を動かしても一緒に動いたりせず、「部屋の隅に黒い人影が立っている」「黒い動物が床を横切った」など、飛蚊症の「ゴミ」や「糸くず」よりも、はるかに具体的でリアルな形を持つことが多いのが特徴です。
幻視は認知症のサインか
日中、覚醒している時に、このような具体的な「幻視」が繰り返し見え始めた場合、特にご高齢の方(あるいは中年以降)であれば、注意が必要です。
その幻視は、「レビー小体型認知症(DLB)」という神経疾患の、最も特徴的な初期症状の一つである可能性があるからです。
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型に次いで多い認知症とされ、幻視以外にも特徴的な症状があります。
レム睡眠行動異常症 (RBD)
金縛り(睡眠麻痺)とは逆に、レム睡眠中に筋肉の弛緩が起こらないために、夢の内容に合わせて「夜中に大声を出す」「激しく手足を動かす」といった異常行動が出ます。
パーキンソン症状
手が震える、動きが遅くなる、歩幅が狭くなる、といった運動症状が現れます。
もしご家族が「黒い影が見える」と訴えた場合、それはレビー小体型認知症の初期症状かもしれません。早期に脳神経内科や精神科(物忘れ外来)を受診することで、症状を緩和する治療を開始できる場合があります。
黒い影で疑われる病気まとめ
これまで解説してきたように、「黒い影」という一つの現象でも、その原因は多岐にわたります。
ここで、症状のタイプ別に考えられる原因と緊急度、推奨される行動を整理してみましょう。
| 症状のタイプ(黒い影の見え方) | 併発する症状 | 主な原因(可能性) | 緊急度 | 推奨される行動 |
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【タイプ1】 目を動かすと一緒に動く「ゴミ」「糸くず」 | (特になし) | 生理的飛蚊症 | ★☆☆ (低) | 眼科で一度検査(他の疾患との鑑別のため) |
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【タイプ2】 影が急に増えた、スス状、幕のように欠ける | 「稲妻のような光」(光視症) | 網膜剥離、網膜裂孔、硝子体出血 | ★★★ (緊急) | 救急外来または即時の眼科受診 |
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【タイプ3】 寝入りばなや覚醒直後に「黒い人影」や「気配」 | 体が動かない(金縛り)、胸が苦しい | 睡眠麻痺(金縛り)に伴う入眠時幻覚 | ★☆☆ (低) ※頻発時は要相談 | 睡眠不足・ストレスの解消、仰向け寝を避ける |
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【タイプ4】 日中、覚醒時に具体的な「人影」「動物」 | 夜中に大声を出す、物忘れ、手の震え | 幻視(レビー小体型認知症、パーキンソン病など) | ★★☆ (中) | 脳神経内科、精神科(物忘れ外来)の受診 |
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【タイプ5】 部屋の隅の影などが「霊」のように感じられる | 高いストレス、感情的な出来事があった | ストレス、疲労による知覚過敏、心理的解釈 | ★☆☆ (低) | ストレスケア、リラクゼーション |
この表が示すように、タイプ2は失明のリスク、タイプ4は神経疾患のリスクがあり、「霊感」という言葉で片付けるべきではないケースがあることが分かります。
このように、身体の不調をスピリチュアルな観点で考えることもありますが、病気と魂の学びにはどのような関係があるのでしょうか。前世の因縁と病気の関係について考察した記事も、あわせてお読みください。


黒い影の対処法とは?
黒い影への対処法は、その原因によって全く異なります。
タイプ1・2(目の場合)
まず、黒い影を自覚したら、それがタイプ1(生理的飛蚊症)かタイプ2(網膜剥離など)かを判断するために、一度は必ず眼科を受診してください。
前述の通り、タイプ2の症状(急増、光、視野欠損)がある場合は、緊急の受診が必要です。
生理的飛蚊症と診断された場合は、基本的には治療の必要はなく、影に慣れていくことが対処法となりますが、影の状態に変化がないか定期的にチェックすることが大切です。
タイプ3(睡眠の場合)
金縛り(睡眠麻痺)が原因の場合は、生活習慣の見直しが基本です。
過度なストレスを避け、十分な睡眠時間を確保し、生活リズムを整えることが最も重要です。また、仰向けで寝ると金縛りが起こりやすいという報告もあるため、横向きで寝るなどの工夫も有効かもしれません。
タイプ4・5(脳・心理の場合)
日中の幻視(タイプ4)が続く場合は、脳神経内科や物忘れ外来を受診しましょう。
原因がストレスや疲労による知覚過敏(タイプ5)だと思われる場合は、リラクゼーションや十分な休息を取り、心の負担を軽減することが対処法となります。
黒い影は何科を受診すべきか
どの医療機関を受診すればよいか迷う場合は、以下の目安を参考にしてください。
眼科
最も優先度が高い受診先です。
「目を動かすと影も動く」「影が急に増えた」「光が走る」「視界が欠ける」といった症状の場合、まずは眼科で網膜剥離などの重大な目の病気がないかを検査してもらってください。
脳神経内科 / 精神科(物忘れ外来)
「日中、はっきりと覚醒している時に、具体的な人影や動物などが見える(幻視)」
「夜中に大声を出す、物忘れ、手の震えなどを伴う」
このような場合は、脳の疾患(レビー小体型認知症など)が疑われるため、脳神経内科や精神科(物忘れ外来)が専門となります。
心療内科 / 精神科
金縛り(睡眠麻痺)が頻繁に起こり、日中の生活に支障が出るほどの強い眠気(ナルコレプシーの疑い)がある場合や、ストレスや疲労が原因で知覚が過敏になっていると思われる場合は、心療内科や精神科で相談することも選択肢の一つです。
よくある質問:黒い影Q&A
ここで、読者の皆様から寄せられそうな疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q1. ストレスや疲れだけで、本当に黒い影が見えるのですか?
A1. はい、その可能性は十分にあります。
強いストレスや疲労は、二つの側面から黒い影に関係します。
一つは、脳が過敏(過覚醒)になり、普段は気にならない些細な影(飛蚊症や部屋の暗がり)を「黒い影」として重大に認識しやすくなるためです。
もう一つは、疲労やストレスが「金縛り(睡眠麻痺)」を誘発し、その際に「入眠時幻覚」として黒い人影を見てしまうことがあるためです。
Q2. 飛蚊症は治りますか?
A2. 原因によります。
加齢による「生理的飛蚊症」の場合、硝子体の濁り自体が完全に消えることは稀ですが、時間とともに影が薄くなったり、脳がその影に慣れて気にならなくなったりすることが多いとされています。
一方で、「病的飛蚊症(網膜剥離や出血など)」が原因の場合は、原因となっている病気を治療する必要があります。
Q3. お祓いをすれば黒い影は消えますか?
A3. スピリチュアルな観点からのご質問ですね。
私個人の考えとしては、もしその黒い影が医学的な原因(特に網膜剥離や脳の疾患)から来ている場合、お祓いで物理的な網膜の穴や脳の変化を治すことはできません。
まずは医学的な検査を受け、ご自身の身体が安全であることを確認することが最優先です。
その上で、原因がストレスや心理的な要因であり、ご自身が安心するためにスピリチュアルなアプローチを求めるのであれば、それは個人の選択として尊重されるべきだと思います。
今回の「黒い影」のように、不思議なものが見える体験は様々です。そもそも霊感が強い人には、世界がどのように見えているのでしょうか。その共通点や日常の体験についてまとめた記事もございます。


まとめ:霊感や黒い影の不安を解消



そっかー。『黒い影』って言っても、目や脳、ストレスまで、原因はいろいろなんだね。むやみに怖がる必要はないってわかって、すごく安心したかも。



そうだね。大切なのは、不安を『霊感』という言葉だけで片付けないこと。それが自分の身体からの大事なSOSサインかもしれないからね。最後に今日のポイントを確認しておこう!
この記事では、「霊感 黒い影」というキーワードで検索された方の不安を解消するため、医学的・科学的な視点から考えられる原因を網羅的に解説してきました。
私、Gはスピリチュアルな世界に深い関心を持っていますが、私たちが体験する不思議な現象の多くは、自分自身の「身体」が発するメッセージであると捉えています。
あなたが体験した「黒い影」は、「霊」からのメッセージではありません
それは、あなたの「目」からのSOSかもしれません(例:網膜剥離)
それは、あなたの「睡眠と身体」からのSOSかもしれません(例:過労とストレスによる金縛り)
あるいは、あなたの「脳」からのSOSかもしれません(例:レビー小体型認知症の初期症状)
「霊感」という曖昧な言葉で不安を長引かせるのではなく、その影がどのSOSに該当するかを見極めることが大切です
まず確認すべきは、視界の「黒い影」が急に増えていないか
「稲妻のような光」が走っていないか
「視界の一部」が欠けていないか
これらは失明に至る可能性がある、最も緊急性の高いサインです
該当する場合は、今すぐに眼科を受診してください
寝起きの金縛りで見る影は「入眠時幻覚」と呼ばれる脳の現象です
ストレスや疲労、睡眠不足が金縛りを誘発します
生活習慣を見直し、十分な休息をとることが対処法となります
日中、はっきりと覚醒している時に「具体的な人影」が見える場合は「幻視」です
幻視は「レビー小体型認知症」など脳の疾患のサインである可能性があります
物忘れや夜間の異常行動、手の震えなどがあれば、脳神経内科に相談しましょう
ストレスは脳を過敏にし、些細な影を「脅威」として誤認識させます
黒い影は、あなたの身体が「疲れているよ」「休んで」と伝えているサインかもしれません
スピリチュアルな探求の前に、まずはご自身の身体を大切にしてください
このように疲れやストレスは、霊的な感受性とも深く関係していると言われます。いわゆる「招き猫体質」と呼ばれる、疲れやすく敏感な方のための対処法についても、ぜひご覧ください。





最期に私事で恐縮ですが、私も20代でレーシックを受け。
40代半ばで老眼が一気に進み、視野もかなり狭くなってきています。母は緑内障で手術をお受けているので、他人事ではない事柄なのです。
どうか、スピリチュアルな問題とは片付けずに、まずは医療機関での診察を受けて下さい。それが最初に行うことです!











