「あなたの守護霊はスサノオです」と言われ、その強力な名前に驚きと戸惑いを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
スサノオは日本神話において、荒々しい嵐の神であると同時に、英雄的な側面も持つ非常に多面的な神様です。そのため、守護霊としてスサノオを持つことは、人生に大きな力をもたらす一方で、そのエネルギーをどう活かせば良いのか悩むこともあるでしょう。
この記事では、守護霊としてのスサノオがどのような存在なのか、その神話的背景からご利益、そして守られている人の性格的特徴まで、網羅的に解説していきます。
そもそも守護霊の役割や人数について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

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スサノオの神格と、厄除けや縁結びといったご利益
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守護霊がスサノオである人の天才的かつ繊細な性格
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神話に見る荒々しさと英雄性という二つの側面
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スサノオとの繋がりが深い代表的な神社の情報
守護霊スサノオの神格と多様なご利益

スサノオって、なんだか荒々しくてちょっと怖いイメージがあるんだけど… 私の守護霊がスサノオって言われて、正直ちょっと不安…。



大丈夫だよ、ルナ。スサノオは確かに嵐のように激しい一面も持つけれど、それだけじゃないんだ。人々を救う英雄としてのご利益もたくさんある。これから、その多面的な神格を一つずつ見ていこう。
英雄ヤマタノオロチ退治の神話
強力な厄除けと必勝祈願のご利益
クシナダヒメとの縁結びのご利益
暴風雨神としての荒々しい側面
姉である天照大御神との関係性
疫病を防ぐ牛頭天王との習合
英雄ヤマタノオロチ退治の神話


スサノオの神格を語る上で最も象徴的なのが、『古事記』などにも記されている、八つの頭を持つ巨大な蛇「ヤマタノオロチ」を退治した神話です。高天原(天上の神々の世界)を追放されたスサノオは、出雲の国で、毎年娘をオロチに奪われ悲しむ老夫婦と、その最後の娘であるクシナダヒメに出会います。
この話を聞いたスサノオは、クシナダヒメとの結婚を条件にオロチ退治を請け負いました。彼は知恵を働かせ、強力な酒を八つの樽に満たし、オロチがそれぞれの頭で酒を飲んで酔いつぶれたところを、十拳剣(とつかのつるぎ)で切り刻み、見事に退治します。この物語は、単なる武勇伝ではありません。理不尽な災厄(オロチ)から人々を救い出す英雄としてのスサノオの姿を明確に示しています。
したがって、守護霊としてのスサノオは、人生における大きな困難や災いから持ち主を守り、それを乗り越えるための知恵と勇気を与えてくれる存在と考えられます。
強力な厄除けと必勝祈願のご利益


前述の通り、ヤマタノオロチという巨大な災厄を打ち破った神話から、スサノオは非常に強力な「厄除け」の神として信仰されています。個人的な悩みから社会的な災難まで、あらゆる悪いものを祓い、道を切り開く力が授かると言われます。
また、困難な相手に知恵と力で勝利したことから、「必勝祈願」のご利益も有名です。スポーツの試合や試験、商談など、人生における様々な勝負事において、成功へと導く後押しをしてくれるでしょう。スサノオを守護霊に持つ人は、ここ一番という場面で驚くべき集中力や勝負強さを発揮することがあるかもしれません。
これらのご利益は、スサノオが持つ破壊と再生のエネルギーに由来します。古い状況や悪縁を断ち切り、新たな道を力強く進むためのサポートが期待できるのです。
クシナダヒメとの縁結びのご利益


スサノオは、ヤマタノオロチから救ったクシナダヒメと結婚し、出雲の地に宮殿を築いて幸せに暮らしました。この神話から、スサノオには「縁結び」の神としての一面もあります。特に、困難を乗り越えた末に結ばれる強い絆を象徴しています。
ただ男女の縁を結ぶだけでなく、仕事や友人関係など、人生を豊かにする様々な良縁を引き寄せる力があるとされています。スサノオのご利益は、運命的な出会いをただ待つのではなく、自ら行動し、困難を乗り越えることで素晴らしいご縁を掴み取る、という形で現れることが多いようです。
そのため、スサノオを守護霊に持つ人は、障害のある恋愛や困難な人間関係に直面した際に、それを乗り越えて絆を深める強さを与えられると考えられます。
暴風雨神としての荒々しい側面


スサノオは英雄的な側面だけでなく、その名の由来が「凄まじい」に通じるとされる通り、自然の猛威を象徴する「暴風雨の神」としての荒々しい性質を持っています。父であるイザナギから海原の統治を命じられたにも関わらず、亡き母イザナミを慕って泣き叫び、世界に災いをもたらしたとされています。
このエピソードは、スサノオが持つ制御不能なほどの激しいエネルギーを物語っています。守護霊がスサノオである場合、このエネルギーが良い方向に向けば絶大な行動力となりますが、扱いを誤ると自分自身や周囲を傷つける破壊的な力にもなりかねません。
自身の内なる激しい感情や衝動を自覚し、それを建設的な活動に向けることが、スサノオの加護を最大限に活かす鍵となります。
姉である天照大御神との関係性


スサノオの荒々しい性格を最もよく表しているのが、姉であり太陽神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)とのエピソードです。高天原を訪れたスサノオは、田畑を破壊したり神殿を汚したりと、数々の乱暴を働きます。極めつけは、神聖な機織り小屋に皮を剥いだ馬を投げ込み、その結果、驚いた機織り女が亡くなってしまう事件でした。
この蛮行に心を痛めたアマテラスは、天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまい、世界は闇に包まれます。この一連の出来事が原因で、スサノオは神々の世界である高天原から追放されることになりました。
この神話は、スサノオが持つ未熟で社会性に欠ける側面を示しています。守護霊がスサノオの人は、時に社会のルールや常識から逸脱した行動をとり、周囲との間に軋轢を生んでしまう可能性も秘めているため、注意が必要です。
ちなみに、スサノオの高天原からの追放は、霊的な視点で見ると「守護霊による強制終了」に近い側面も持っています。





うーん…こんなに乱暴なことをするなんて、やっぱりちょっと…。こんな神様が守護霊で本当に大丈夫なのかな?



その気持ち、よくわかるよ。でも、この未熟さこそがスサノオの人間らしさであり、後の成長に繋がる重要なポイントなんだ。人は誰でも失敗から学ぶだろう?スサノオは、そこから立ち上がる強さも教えてくれるんだよ。
疫病を防ぐ牛頭天王との習合


中世以降、スサノオは「牛頭天王(ごずてんのう)」という疫病を司る神と同一視されるようになりました。牛頭天王は、旅の途中で宿を乞うた際、裕福な弟には断られ、貧しい兄の蘇民将来(そみんしょうらい)には手厚くもてなされたという伝説があります。
後に牛頭天王は正体を明かし(自らをスサノオであると名乗ったとも伝わります)、蘇民将来の一族に疫病から逃れるための「茅の輪(ちのわ)」を授けました。これが多くの神社で夏に行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」の起源とされています。
この習合により、スサノオは災厄をもたらす荒神であると同時に、それらを祓い、人々を疫病から守る防災除疫の神としての神格も持つようになりました。京都の八坂神社などがこの信仰の中心地として有名です。
守護霊がスサノオである人の性格と特徴



スサノオのことは分かってきたけど、じゃあ、守られている私自身はどんな性格になるのかな?なんだか大変そうな気もする…。



いい質問だね。守護霊の性質は、守られる人の長所や課題として現れることが多いんだ。ここからは、スサノオの加護を受ける人にどんな特徴が見られるかを解説するよ。
天才的で斬新な発想力を持つ
困難に立ち向かう強い意志と行動力
感情の起伏が激しく短気な性格
団体行動や束縛を嫌う自由な精神
スサノオを祀る代表的な神社
天才的で斬新な発想力を持つ


スサノオを守護霊に持つ人は、常人にはないユニークな視点や、斬新なアイデアを生み出す天才的な才能を持っていると考えられます。ヤマタノオロチを退治する際に、力押しではなく「酒を飲ませて酔わせる」という奇策を用いたように、既成概念にとらわれない発想で物事を解決に導く力があります。
このため、クリエイティブな分野や、新しい事業を立ち上げる企画職などでその才能を大いに発揮する可能性があります。周りが驚くようなアイデアで、状況を打開するゲームチェンジャーとなり得るでしょう。
ただし、その発想が独特すぎるあまり、周囲から理解されにくいという側面も持ち合わせています。自分のビジョンを情熱を持って論理的に説明する努力が、才能を開花させるためには不可欠です。
困難に立ち向かう強い意志と行動力


守護霊スサノオの最も大きな特徴は、何事にも恐れず、困難に真正面から立ち向かっていく強い意志と行動力です。高天原を追放され、一人で地上に降り立った後も、ヤマタノオロチという巨大な敵に臆することなく挑みました。
この性質を受け継ぐ人は、逆境に強く、むしろ困難な状況であるほど燃えるタイプです。目標達成のためには、どんな努力も惜しまないでしょう。リーダーシップを発揮し、周囲を巻き込みながら大きなプロジェクトを成功させる力も秘めています。
一方で、その行動力が性急さや無鉄砲さにつながることもあります。行動を起こす前に一度立ち止まり、計画を練る冷静さを持つことで、より大きな成果を生み出すことができるようになります。
こうした逆境に強く戦う魂の性質は、前世が武士だった人の特徴とも多くの共通点が見られます。


感情の起伏が激しく短気な性格


スサノオの神話は、彼の感情の豊かさ、そして激しさを物語っています。母を慕って激しく泣き叫んだかと思えば、姉の国で怒りに任せて大暴れするなど、その感情は常に両極端に振れます。
同様に、スサノオを守護霊に持つ人も、感情の起伏が激しい傾向が見られます。普段は穏やかで社交的であっても、一度感情が爆発すると、自分でもコントロールが効かなくなることがあるかもしれません。短気な一面もあり、些細なことでカッとなってしまうことも。
このような感情の波は、豊かな感受性や情熱の裏返しでもあります。自分の感情のパターンを客観的に理解し、ストレスを上手に発散する方法を見つけることが、安定した精神状態を保つ上で大切になってきます。
もし感情の浮き沈みが激しく、心身の不調を感じる場合は、守護霊が弱っているサインかもしれません。
もし感情の浮き沈みが激しく、心身の不調を感じる場合は、守護霊が弱っているサインかもしれません。


団体行動や束縛を嫌う自由な精神


高天原という神々の社会のルールに馴染めず、追放されてしまったスサノオの姿は、束縛を嫌い、自由を愛する精神を象 徴しています。誰かから命令されたり、集団のルールに縛られたりすることに強い抵抗を感じるでしょう。
このため、組織の中で歯車として働くよりも、フリーランスや経営者など、自分の裁量で動ける環境でこそ、真価を発揮します。自分の信念に基づいて自由に行動できる環境を求める純粋さが、行動の原動力となっています。
このようにスサノオは非常に男性的で力強い性質を持ちますが、守護霊には全く異なるタイプも存在します。例えば、守護霊が天女である場合は、芸術的で女性的な特性が強く現れるでしょう。


ただし、社会生活を送る上である程度の協調性は必要です。自分の自由を大切にしながらも、周囲への配慮を忘れないバランス感覚を養うことが、社会的な成功を収めるための課題となるでしょう。
スサノオを祀る代表的な神社


守護霊であるスサノオとの繋がりを感じ、そのご利益を授かりたいと考えるなら、スサノオを御祭神として祀る神社に参拝するのも良い方法です。もし、これから紹介する神社の中に強く惹かれる場所があれば、それは神様や土地に呼ばれるサインかもしれません。


日本全国にはスサノオを祀る神社が数多く存在します。
特に有名なのは、京都の八坂神社、愛知県の津島神社、そして埼玉県さいたま市にある武蔵一宮氷川神社などです。また、ヤマタノオロチ退治の舞台となった島根県には、須佐神社や八重垣神社など、スサノオにゆかりの深い神社が点在しています。
これらの神社は、それぞれ異なる由緒や歴史を持っています。参拝することで、スサノオの持つ多面的な神格の一端に触れ、自身の守護霊との対話を深めるきっかけになるかもしれません。
まとめ:守護霊スサノオの力を活かす



そっか…スサノオって、ただパワフルなだけじゃなくて、すごく奥深い神様なんだね。私のこの激しい感情や、人と違う発想も、スサノオ様からのギフトだったんだ。



その通りだよ、ルナ。スサノオの力は、君が困難を乗り越え、自分らしい人生を切り開くための強力なエンジンになる。大切なのは、そのエネルギーをどう使うか、君自身が舵を取っていくことだ。
これまでに解説してきたように、守護霊スサノオは非常にパワフルで多面的な存在です。その力を最大限に活かすためには、スサノオの神格と、自身に与えられた特性を深く理解することが鍵となります。最後に、この記事の要点をまとめます。
守護霊スサノオは荒々しさと英雄性を併せ持つ神
最大の神話はヤマタノオロチ退治である
強力な厄除けと必勝祈願のご利益がある
困難を乗り越える縁結びの力も持つ
制御不能な暴風雨神としての一面も忘れてはならな
姉アマテラスとの確執は未熟さの象徴
牛頭天王と習合し疫病退散の神ともされる
守られている人は天才的で斬新な発想を持つ
逆境に強い意志と行動力を授かっている
一方で感情の起伏が激しく短気な傾向がある
束縛を嫌い自由な精神を何よりも重んじる
長所と短所は表裏一体であることを理解する
自身の激しいエネルギーを建設的な方向に使う意識が大切
八坂神社や氷川神社などゆかりの神社を訪れるのも良い
スサノオの加護は人生を切り開く強力な武器となる



スサノオ様は、あなたの魂が持つ無限の可能性と、乗り越えるべき課題の両方を象徴しています。この記事が、ご自身の持つ大いなる力と向き合い、人生をより豊かに切り開くための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。