エンジェライトの偽物を見分ける全知識

天使のような優しいブルーが魅力のエンジェライトですが、手に入れようと思った際に「エンジェライトの偽物を買って失敗や後悔をしたくない」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、見出しに合わせて最適化するかたちで、偽物の可能性があるエンジェライトの特徴から、非常によく似た鉱物であるセレスタイトとの違い、さらには購入時に役立つ具体的なチェックポイントまで、網羅的に解説していきます。

価格が安すぎる場合の注意点

エンジェライトの偽物を見分ける上で、価格は一つの重要な指標となります。天然石は採掘や加工、輸送にコストがかかるため、一定の価格帯が存在します。

もし市場価格と比べて極端に安価な製品を見つけた場合、注意が必要です。もちろん、セールや卸売などで安くなるケースもありますが、常識的な範囲を超える安さには理由があると考えられます。

例えば、ガラスやプラスチック、あるいは別の安価な鉱物を染色したものである可能性が疑われます。価格が安いからといって直ちに偽物と断定はできませんが、購入を検討する際には、他の要素とあわせて慎重に判断するきっかけになります。

エンジェライトの値段相場は？

エンジェライトの適正価格を判断するためには、おおよその値段相場を知っておくことが役立ちます。価格は品質（色の濃さ、均一性、傷の少なさなど）、サイズ、加工形態によって大きく変動します。

あくまで目安ですが、以下のような価格帯が情報として挙げられます。

• ビーズ（連）:

  • 6mm程度の丸玉ビーズ（一連約38cm）で、1,000円台前半から。

    
    

  • 10mm程度の丸玉ビーズ（一連約38cm）では、1,000円台後半から2,000円程度が相場とされています。

    
    

• ブレスレット:

  • シンプルなデザインのものであれば、2,000円台から5,000円程度が一般的なようです。

    
    

  • 品質が高いものや、他の希少石と組み合わされたデザイン性の高いものは、1万円を超える場合もあります。

    
    

• 原石（タンブル）:

  • 小さなタンブル（磨き石）であれば、数百円から購入可能なケースが見られます。

    
    

これらの相場はあくまで一例です。極端に安い場合と同様に、不当に高額な場合も注意が必要ですが、まずはこの価格帯を基準に、提示されている価格が妥当かどうかを考えてみてください。

色合いが強すぎる石の識別法

本物のエンジェライトは、その名の通り「天使」を思わせるような、柔らかく淡い空色や水色がかった色合いが特徴です。

もし、目の前の石が鮮やかすぎるロイヤルブルーであったり、不自然なほど濃い青色をしていたりする場合、それは人工的に染色された可能性があります。特に、緑色がかっているものや、色合いが均一すぎても不自然な場合があります。

天然石特有の、完全ではない色の濃淡や、わずかな色ムラこそが本物の証であるケースも多いです。エンジェライト本来の優しい色合いを基準に、強すぎる発色や異様な色味がないかを確認することが大切です。

質感が冷たいのは偽物か

質感や触感も、偽物を見分けるヒントを与えてくれます。エンジェライトは鉱物学的に硬石膏（こうせっこう）に分類され、モース硬度が3.5と比較的柔らかい石です。

データベースによれば、本物のエンジェライトは触った際に、水晶などと比べるとひんやりとした冷たさを感じにくいとされています。むしろ、どこか柔らかさや温かみを感じるような質感が特徴です。

逆に、明らかに硬質で、触れた瞬間に強いひんやり感を感じるものは、ガラスや硬度の高い別の鉱物である可能性が考えられます。また、プラスチック製の模造品の場合は、軽すぎたり、常温でも冷たさを全く感じなかったりするため、比較的判別しやすいでしょう。

透明度が低いものの見分け方

エンジェライトの透明度に関する情報は、やや注意が必要です。データベース内では「透明度が高い」という記述と「透明度が低いものが多い」という記述が混在していますが、これは比較対象（セレスタイトなど）や品質の基準による違いと考えられます。

一般的に流通しているエンジェライトの多くは、半透明から不透明です。完全に透明でクリアなものは稀で、むしろ特徴的なのは、石の内部が透けて見えるというよりは、陶器やチョークのようなマットな質感です。

したがって、「透明度が低い＝偽物」と直結はしません。しかし、データベースの情報にあるように、あまりにも透明感がなく、光を全く通さないような、のっぺりとした質感のものは、ガラスや樹脂製の偽物である可能性も視野に入れるべきです。

内包物が目立つ石の確認

天然石である以上、エンジェライトにも内包物（インクルージョン）が含まれること自体は普通です。

ただし、本物のエンジェライトの場合、その内包物は石の優しい色合いに溶け込んでいることが多く、光に当ててもそれほど目立たないとされています。

一方で、偽物として注意すべきは、光に当てた際に内部の気泡や、明らかに異質な色の内包物がキラキラと目立つものです。特にガラス製の模造品には、製造過程で入った微細な気泡が見られることがよくあります。石の内部をよく観察し、不自然な内包物がないかを確認してみてください。

加工しやすい形状が多い理由

エンジェライトは前述の通り、モース硬度が3.5と非常に柔らかく、加工が容易な石です。この特性が、偽物を見分ける上での一つのヒントとなります。

加工が容易であるため、市場には丸玉（ビーズ）やドロップ形（しずく形）など、比較的単純で加工しやすい形状の製品が多く流通しています。

もちろん、本物にもこれらの形状は多数存在します。しかし、もし非常に複雑なカービング（彫刻）が施されているにもかかわらず価格が極端に安い場合などは、エンジェライトよりもさらに加工しやすい樹脂（プラスチック）などで作られた模造品である可能性も考慮に入れる必要があります。

ブレスレットの偽物を見分けるコツ

ブレスレットはエンジェライトのアクセサリーとして非常に人気がありますが、それゆえに偽物にも注意が必要です。

ブレスレットで偽物を見分けるには、これまでに挙げた複数のポイントを総合的にチェックします。

まず、価格です。あまりに安価なブレスレットは疑うべきでしょう。次に、色合いです。一連のビーズ全てが、不自然なほど均一で濃い青色をしていないか確認します。天然石であれば、多少の色合いの個体差があるのが自然です。

また、ビーズの穴の周りをよく観察してください。もし色が濃く染まっている部分と、穴の内部で色が薄くなっている部分がある場合、それは染色された証拠かもしれません。質感や重さ（軽すぎないか）もあわせて確認することが求められます。

このように毎日身につける物には、時に不思議な意味が宿ることがあります。例えば、愛用していたカバンの紐が突然切れるといった出来事にも、スピリチュアルなサインが隠されているかもしれません。

本物のエンジェライトの特徴

ここで改めて、本物のエンジェライトが持つ主な特徴を整理します。

本物は、淡い空色から水色がかった、優しく柔らかい色合いをしています。質感は硬いというよりは少し柔らかみがあり、ひんやりとした感触は少ないとされます。

鉱物としては硬石膏の一種であり、生の（研磨されていない）状態ではチョークのような粗い感触があるとされています。透明度は低いものが多く、半透明から不透明で、マットな質感を持つのが一般的です。

これらの特徴は、偽物や類似石と比較する際の基準となります。

見分け方のポイント早見表

エンジェライトの本物と偽物の可能性があるものの特徴を、比較しやすいように表形式でまとめます。これらはあくまで一般的な傾向であり、最終的な判断は複数の要素を組み合わせて行う必要があります。

比較項目	本物のエンジェライト（傾向）	偽物の可能性が高いもの（傾向）
価格	一定の価格帯（安価すぎない）	極端に安価
色合い	淡い空色、水色がかった優しい色	鮮やかすぎる青、濃い青、緑がかる
質感	柔らかみがある、ひんやり感が少ない	硬い、強い冷たさを感じる
透明度	半透明～不透明、マットな質感	透明度が極端に低い（のっぺりしている）
内包物	あっても目立たない	気泡や異質な内包物が目立つ
形状	様々だが、柔らかいため加工は容易	丸玉やドロップ形が多い（模造品も同様）

セレスタイトとの混同とは

エンジェライトの「偽物」として市場で最も混同されやすいのが、「セレスタイト」という鉱物です。これは悪意のある偽物というよりは、見た目や成分が似ているために誤って流通してしまうケースです。

エンジェライトは鉱物学的には硬石膏（Anhydrite）の一種であり、国際的な鉱物データベース「Mindat.org」にもその詳細な化学組成（CaSO4）が記載されています。一方、セレスタイトは硫酸ストロンチウム（SrSO4）の結晶であり、両者は明確に異なる鉱物です。しかし、どちらもストロンチウムを含むことで青色を呈する場合があるため、色合いが非常に似ています。

最大の違いは透明度です。エンジェライトが半透明から不透明でマットな質感であるのに対し、セレスタイトは透明感があり、ガラスのような光沢を持っています。この透明感の違いが、両者を見分ける最も有効な手段の一つとされています。

触感での見分け方

前述の通り、質感や触感は重要な判断材料です。データベースの情報によれば、本物のエンジェライト、特に原石や未加工の状態では、触ると粗く、チョーク（白墨）のような感触があるとされています。

研磨されたビーズなどではこの感触は失われがちですが、それでもガラスや水晶のようなツルツルとした硬い感触とは異なる、どこか柔らかい印象を受けるはずです。

もし、明らかにガラスのように滑らかで硬質な触感であれば、それはエンジェライトではない可能性を考えた方がよいでしょう。

重さでの判別方法

重さも鑑別の一助となります。エンジェライト（硬石膏）の比重は約2.9～3.0とされています。これに対し、ガラスの比重は約2.5程度、プラスチックはさらに軽くなります。

データベースの情報にも、エンジェライトは他の石より重いため、重さが本物である良い指標になる、という記述があります。

同じサイズの石（例えば、水晶の丸玉など）と持ち比べてみて、ずっしりとした重みを感じるかどうかを確認する方法があります。もし、見た目の大きさに対して不自然に軽い場合は、プラスチックなどの模造品である可能性が高まります。

水に対する耐性で判別可能？

エンジェライトは水に非常に弱い性質を持っています。これは、主成分である硬石膏（アンハイドライト）が水と反応するためです。

データベースの情報によれば、水にさらすと割れたり、ひどい場合には溶けたりする可能性があるとされています。この特性は、エンジェライトが本物であるかを確かめる一つの指標にはなります。

ただし、この方法は石自体を傷つけてしまうため、鑑別の手段としては推奨されません。購入した大切な石をわざわざ水につけて試すのは避けるべきです。この「水に弱い」という性質は、鑑別法としてではなく、後述する取り扱い上の注意点（浄化方法）として理解しておくことが重要です。

浄化方法でわかる本物の特性

前述の通り、エンジェライトは水に極めて弱い特性を持っています。また、モース硬度が3.5と柔らかく傷つきやすい石です。

世界的な宝石学の権威であるGIA（米国宝石学会）も、公式の「宝石のお手入れガイド」（外部リンク）の中で、エンジェライトのように多孔質であったり硬度が低かったりする石は、水や化学薬品、超音波洗浄などを避け、柔らかい布で優しく拭くことを推奨しています。

本物のエンジェライトの浄化は、水や塩を避け、月光浴や、セージの煙にくぐらせる方法、あるいは水晶クラスターの上に置く方法が推奨されます。

もし販売店が「水で洗って大丈夫」といった説明をした場合、その石がエンジェライトではない（例えば、水に強いガラスや染色クォーツなどの）可能性、あるいは販売店がエンジェライトの正しい知識を持っていない可能性が疑われます。このように、推奨される浄化方法からも本物の特性を推し量ることができます。

赤はない？色の真実

エンジェライトの基本的な色は、ストロンチウムに由来する淡いブルーです。データベースのQ&A情報にもある通り、「エンジェライトに赤はない」というのが一般的な認識です。

青色を発色する要因であるストロンチウムを含む硬石膏を「エンジェライト」と呼ぶため、青くないものはエンジェライトではない、という考え方です。

ただし、検索情報によれば、エンジェライト（アンハイドライト）のバリエーションとして、白、灰色、ピンクなどが存在し、また、酸化鉄の影響で錆びたような茶色や赤褐色の斑点を含むことはあるようです。しかし、石全体が鮮やかな「赤色」のエンジェライトとして販売されている場合、それは別の鉱物であるか、名前だけを借りた別物である可能性が極めて高いと考えられます。

人工のエンジェライトは作れるか

技術的には、人工のエンジェライトを作ることは可能です。データベースの情報によれば、原料を高温高圧下で結晶化させる「合成法」や、ガラスに着色料を加えて色合いを再現する方法が存在します。

合成法で作られたものは、化学組成や結晶構造が天然のものと同じであるため、鑑別が難しい場合があります。

ただし、エンジェライトは比較的安価に産出される鉱物です。そのため、高コストな合成法を用いてまで偽物を作るメリットは少なく、市場に多く出回っている偽物の多くは、安価なガラスや樹脂、あるいは別の鉱物を染色したものである可能性が高いと考えられます。

偽物にパワーストーンの効果はある？

エンジェライトは、その優しい色合いから「癒し」や「博愛」といったスピリチュアルな意味合いを持つとされています。偽物を購入した場合、こうしたパワーストーンとしての効果が期待できるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

これは個人の信念体系にもよりますが、一般的にパワーストーンの効果は、その石が天然の鉱物であるという点に価値が置かれることが多いようです。

もし偽物がただのガラスやプラスチックであった場合、多くの人はそこに天然石と同様のスピリチュアルな力は期待しないでしょう。また、合成石（人工石）については、天然石と同じ成分であれば同様の力を持つと考える人もいますが、これも意見が分かれるところです。いずれにしても、期待した「効果」を得るためには、本物の天然エンジェライトを選ぶことが前提になると考えるのが自然です。

もし、本物の石を手にしてもエネルギーをうまく感じられないと感じるなら、それはあなたの感覚が一時的に弱っているサインかもしれません。自分のスピリチュアルな感覚を取り戻すヒントを探ってみてはいかがでしょうか。

パワーストーンとの出会いをきっかけに、ご自身のスピリチュアルな感覚が研ぎ澄まされることもあります。もし最近不思議な体験が増えたと感じるなら、それは霊感が目覚め始めたサインかもしれません。

購入時のチェックポイント

エンジェライトを購入する際に失敗を避けるため、信頼できるショップを選ぶことが最も大切です。

実店舗であれば、実際に石を手に取り、色合い、質感、重さ、内包物の様子などを自分の目で確認できます。店員に産地や取り扱い（浄化）の注意点などを質問し、明確な回答が得られるかも信頼度の指標になります。

インターネットショップで購入する場合は、写真が鮮明で、複数の角度から撮影されているかを確認します。商品説明が詳細で、石の特性（水に弱いことなど）についてもしっかり言及されているショップは信頼できる可能性が高いです。

また、鑑別書（ソーティングメモ）の発行に対応しているかどうかも、一つの基準となります。鑑別書とは、中央宝石研究所のような国内の権威ある専門機関が、その石が科学的に何であるかを証明する書類です。どうしても本物か不安な場合は、こうした専門機関による鑑別を依頼することも最終的な手段として有効です。

新品のパワーストーンを選ぶ際も直感が大切ですが、例えばリサイクルショップなどで古い物を手に入れる際には、また違った注意が必要です。物が持つエネルギーに敏感な方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

エンジェライトは「天使」と繋がる石とも言われますが、私たち一人ひとりには、天使と同じように見守ってくれる「守護霊」という存在がいます。ご自身の守護霊について知ることも、スピリチュアルな理解を深める助けになるかもしれません。